すべてがうまくいく「幸せ」のエッセンス‥「インナーチャイルドを癒す」の続編です。前回は「望まれなかった子ども」を抱えるインナーチャイルドの記事を書きました。

今回は「男の子が欲しかったのに生まれた女の子、女の子が欲しかったのに生まれた男の子」の例です。

子どもの頃、近所に女の子ばかりの5姉妹がいました。そのお家のお父さんは「社長さん」をしており、子ども心にも(きっと一人くらいは男の子が欲しかったんだろうな‥)と、余計なことを思ったのを覚えています。

でも、もしかしたらそうした考えこそが、当時の周りの大人たちから刷り込まれた性別への意識だったのかもしれません。

そう、私の子ども時代は典型的な「昭和」の価値観に満ちていました。

世の中には男の子でも女の子でも、どちらが生まれても全力で愛します、というご両親もおり、素晴らしいことだと思います。

でも、人間ですから(次は女の子がいいな)、(絶対に男の子が欲しい)と思うのもよく分かります。少子化の今は特にその傾向が強いのかもしれません。

望んでいなかった性別のお子さんが生まれた場合、はっきりと落胆を口にする親御さんがいますが、子どもはその言葉を全身で感じ取っています。

そして、子ども自身は、望まれない性別で生まれたことに対して潜在意識のなかで申し訳ない気持ちを抱えたまま成長していくことになります。

生まれた時は少々がっかりされたけれども、その後にしっかりと愛されて育つケースならば、それほど深刻な心の傷にはなりませんが、日々のなかで「男の子が欲しかったのに」、「女の子の方が良かったのに」と言われ続けるのは、子どもにとって大変辛いことです。

世間的にはよく「子に対する親の愛ほど深いものはない」と言いますが、私は「親に対する子どもの愛ほど深いものはない」のではないかと強く感じてきました。

子どもたちは時に親の望みをかなえようと必死になって振舞います。その結果、男の子のように振舞う女の子、女の子のように振舞う男の子になる場合があります。

性同一障害の原因は、胎児期に身体と脳の遺伝子に異常が生じるためではないかと考えられていますが、もしかしたらこうした事が遠因になっているのかもしれません。

その他にも、自分の性別に自信や誇りが持てず、自己の性に対して卑屈な気持ちになったり、自分は親の期待に応えられなかったという劣等意識や自己否定を感じて、自分自身への苛立ちにつながることもあります。

当のご本人がその事を自覚している事もあれば、そうでない事もあり、何に対して自分が苦しみ、何に苛立っているかが分からず、辛い思いが続く場合があります。

望まれなかった性別で生まれた子どもを癒すには、幼少期に退行して親から言われた言葉に対する抗議を行います。小さすぎて自分では上手く言えない場合には、「大人の私」が「小さな私」に代わって親への抗議を行います。

「自分ではどうしようもない事(性別)について言われるのは嫌だ」

「無理して女の子/男の子のように振舞うのは辛かった」

「ありのままの自分でいいと言って欲しい」

それに対して潜在意識下の親が素直に謝ってくれるのであれば、それが感情の解放につながっていきます。

けれども「だって、私は男の子/女の子が欲しかったのだから仕方ないじゃないか」と言って、決して謝ってくれない親の場合には、親を改心させてくれる存在(祖母や祖父など)を呼び出します。

潜在意識下での祖母や祖父が親に対して「子どもにそんなことを言うものじゃない」と諭してくれることで改心に向かうケースがあります。

それでも、親が改心しようとしない場合には、大人の私が小さな私を守ってあげ「そのままのあなたで大丈夫。もう無理しなくていいんだよ」と伝えてあげます。

「大人の私」はとても重要な役割を果たす存在なので、私はインナーチャイルドセラピーのなかで数多く登場させています。無理解な親などよりもずっと深く、小さな私を理解してくれ、最強の力で保護してくれるのが「大人の私」です。

子どもの頃は無力でも、大人になった今は理論も知識も行動力も比べものにならないくらい備えているので、大人の私は無理解な親に十分に打ち勝つことが出来るのです。

世の中には大変愛情深い親もいますが、そうではない親もいるのも現実です。

インナーチャイルドの癒しは、それらの親を少し離れたところから見ることが出来るのも利点のひとつです。子どもの頃には絶対的であった親の存在が見方を変えることで、新たな気づきとなっていきます。

望まれない性別で生まれたインナーチャイルドを抱える人たちへ。

誰もが自分の性別に自信を持っていい。

だって自分自身がそう決めて生まれてきたのだから。

あなた自身が決めた性別を生きることがあなたの喜びとなります。

次回もまたインナーチャイルドの記事を書きますね。