すべてがうまくいく「幸せ」のエッセンス‥ヒプノセラピーでの「インナーチャイルドを癒す」についてシリーズで綴っています。

今回は「痛めつけられて育った子ども」をインナーチャイルドに抱えている例です。

児童虐待のひとつに「身体的虐待」があります。

その定義は、殴る、蹴る、投げ落とす、熱湯をかける、布団蒸しにする、溺れさせる、逆さ吊りにする、異物を飲ませる、食事を与えない、冬戸外にしめだす、一室に拘束する、タバコの火やアイロンを押し付ける等の行為とされています。

いずれも、子どもにとって深刻なトラウマとなりえる残酷な行為で、身体に後遺症や虐待の痕跡が残ることもあり、犯罪を含めた社会問題として、近年特に世間に注視されてきています。

忘れてはならないのが、身体的虐待はすべて心理的な虐待を伴っていることです。身体を痛めつけられることは、心もまた同じようにひどく痛めつけられることになるからです。

大人の身体は子どもよりはるかに大きく、力も強く、その大人から暴力を振るわれることは子どもにとって恐怖以外の何物でもありません。

ましてや、それが親であり、家庭内で日常的に逃れることが出来ないものだとしたら‥言葉にならないほど辛いことです。親の他にも兄や同居の親族などから虐待されるケースもあります。

どちらかの親に虐待され、もう片方の親が止めに入ってくれるケースには、まだ若干の救いがありますが、両親から虐待される場合は逃げようがなく、成長後の人格形成や人間関係、精神状態に強い影響が出ることがほとんどです。

私自身もこのインナーチャイルドを抱えたまま成長し、思春期になって強い心理的なストレスがかかると過呼吸の症状を起こすようになりました。

癒えるまでには長い年月がかかり、自己の癒しのために学んできた様々な自然療法がこうして現在の私を形成しています。

身体や心に受けた虐待は後のうつ症状やパニック発作、心身症などの原因となったり、強い緊張感や不安感、自己否定、怒りや自己破壊的な衝動を抑えられない、相手を力で制圧しようとする行動パターン(男性に多い)や自傷行為などで自分を傷つけるパターン(女性に多い)となる場合があります。大人になってからも暴力的な行為と縁が切れず、同じ振る舞いを配偶者から受けるパターンを繰り返す人もいます。

人によって、あまりにも激しい身体的な苦痛を伴ってきた場合は「人格かい離」と呼ばれる現象が起こることがあります。

そのようなケースは医療が優先されるケースであるため、ヒプノセラピーではなく医療機関を受診することをおすすめしています。

痛めつけられたインナーチャイルドを抱えている場合は、潜在意識のなかでインナーチャイルドを絶対的な力で守ってくれる存在を呼び出し、もう二度とそのようなことをさせないと約束させます。

前回の記事に書いたように親との対話や親を改心させることが難しい場合は、(虐待とは無縁であることが条件ですが)祖父や祖母などを呼び出すか、大人になった自分自身を呼び出して、傷ついたインナーチャイルドを守ることを宣言します。

もしくは、これは子どもの持つ特性と言えるのですが、インナーチャイルドを守ってくれるソウルアニマルのような動物(多くは犬、猫、ウサギなど)やティンカーベルのような妖精、大好きなキャラクター、あるいは女神さま、神さまなどの超越的なを呼び出して守ってもらうこともあります。

インナーチャイルドであるところの子どもは純真であるがゆえに疑うことなくそのような存在とコンタクトを取ることが出来、子どもらしい心情を通じてそれらの存在に守られることが出来ます。

潜在意識の世界は実に不思議なものですが、一度体験されるとその仕組みがよく理解できます。

どんなに辛い場面でも、その人の潜在意識はそれを救う方法を知っています。

痛めつけられたインナーチャイルドを抱えている人へ。

辛いことによく耐えられてきました。でも、もうあなたを痛めつける人はいません。

大人になったあなたは「自分自身の内なる力」であなた自身を強く守ることが出来るのです。

インナーチャイルドを癒し、その先にある未来に向けて歩き出しましょう。

次回もまた「インナーチャイルドの癒し」について書きますね。