すべてがうまくいく「幸せ」のエッセンス‥インナーチャイルドの癒しについて、シリーズで綴っています。
今回は「親の顔色を伺ってきた子ども」をインナーチャイルドに抱えている例です。
大人になってから、人の顔色ばかり気にして気持ちが休まらない、周りに気を使いすぎて人間関係に疲れてしまう、自分で決めていいと言われてもどうしたいのかがよく分からない、決めた後にこれでよかったのかいつも自信が持てない‥
ヒプノセラピーの事前カウンセリングのなかで、このような方たちの訴えを多く聞いてきました。
こうした方たちの多くは心身の緊張感が強く、心に強い屈託を抱えています。
「どこにいてもくつろげない、伸び伸びできない」という感覚が最もこのタイプのインナーチャイルドの状態を表しています。
アロマトリートメントの現場でも「どうぞリラックスなさってくださいね」とお声かけしても「そもそもリラックスするという感覚がよく分からないんです」という方がたまにいらっしゃいます。
「リラックスする」のは、こうした方々にとって大変難しいことなのだという認識を持ちながら、その都度接し方を考えています。
子ども時代に日常的な強い緊張感があると、知らず知らずのうちに周りの人たちの顔色を伺うようになります。
相手の顔色を伺うのは、社会生活のうえでも必要なことで、ある意味では大切です。
特に生きる術を持たない子どもにとっては顔色を伺うのは生存本能でもあるのですが、強すぎる緊張感は子どもの特性である「子どもらしい心」を委縮させてしまいます。
顔色を伺うようになる理由は、両親の不和、嫁姑の不和、家庭内暴力、行き過ぎた教育や躾、親の情緒不安定、親の言動の一貫性のなさ、酒癖の悪い親、家庭内での言い争いやケンカなどが原因で、インナーチャイルドは常にビクビク、オドオドしながら、何とか安心できる方法を必死で探そうとして、その結果、親の顔色を伺い、顔色を読み取り、時には先回りして親の機嫌を取り結べるようにと、小さいながらも気を使います。
私自身もこのインナーチャイルドを抱えたまま成長した大人のひとりでした。
それでも、人の顔色を読み取ることは今の仕事にとって必要であるため、その基礎を培えたのも、このインナーチャイルドのおかげと言えます。
セラピーやヒーリングに関わる方たちの多くはインナーチャイルドに傷を負っています。その傷ゆえにこの仕事を選び、人の癒しを通じて自分の癒しを体現していく方がほとんどです。
その意味でも、この仕事を続けていくのに繊細過ぎる人や優し過ぎてクライアントに振り回されてしまう人などは、一度ご自身のインナーチャイルドと向き合ってみられると良いと思います。
さて、顔色を伺ってきたインナーチャイルドには、潜在意識のなかで伸び伸びしてもらうことが不可欠です。
屈託や萎縮とは無縁の世界で大好きなことを思いっきりする、遊ぶ、はしゃぐ、歌う、スキップする、安心して眠る‥インナーチャイルドがしたい事は全部叶えてあげます。
その様子を見守るのは潜在意識下の親よりも「大人の自分」の方がふさわしい事があります。
大人の自分がインナーチャイルドの保護者となり、その温かい庇護のもと、インナーチャイルドが最大限に安心できる場面を想起させます。
親の顔色を伺って育ったインナーチャイルドにとって、潜在意識下で安心できる感覚を埋め込むことは感情の解放につながります。
時折、大きな事件を起こした犯罪者の生い立ちが社会ニュースになることがあります。
あまりにも壮絶で凄惨な子ども時代を過ごした人が大人になる過程でどれほど苦しむか、その苦しみの行き場となられた方たちも、さらに苦しむことになり、苦しみの連鎖が続いていきます。
ニュースを読むのが辛い時もありますが、インナーチャイルドを理解するうえで欠かせないことなので目をそらさずに読むようにしています。
インナーチャイルドの癒しがなぜ大切かと言えば、一人の人の感情の解放はすべての人の潜在意識のなかに伝わっていき、集合意識や無意識の世界に語りかけるからです。
誰かが苦しんでいれば、すべての人にその苦しみが感覚として伝わっていきます。
そしてまた、誰かが癒されれば、すべての人にその感覚は伝わっていきます。
今、この苦しみ多い、変容と改革の時代だからこそ、インナーチャイルドについてなるべく多く発信しようと決めています。
次回もまたインナーチャイルドのことを書きますね。