すべてがうまくいく「幸せ」のエッセンス‥本日、アロマクラフトレシピ村ブログに「ホワイトロータス精油のロールオン香油」のレシピを載せました。

ホワイトロータス精油は白い蓮の花弁からアブソリュートで得られる気高く美しい芳香を持つ精油です。

蓮の花は古くから仏教を象徴する花ですが、時にはその色によって魔法的な力を持つ花として語られてきました。

ブラックロータス(黒い蓮)は、現実の自然界には存在しません。

けれども、ホワイトロータスの花があまりにも気高く、美しいため、その対極にあるシンボルフラワーとして魔法世界のなかだけで語り継がれてきたのがブラックロータスの香りなのだと思います。

もう30年‥以上前になりますが、ハヤカワ文庫に「黒い蓮」というホラー小説がありました。

☆「切り裂きジャックはあなたの友」ロバート・ブロック著 ハヤカワ文庫(※現在は絶版)

 

お気に入りの小説として今も手元に残してあります。

黒い蓮の抽出物に魅せられた若き王ゲナイアの数奇な人生を描いた短編小説で、まだアロマセラピーの言葉すら知らなかった当時の私は、そのなかで語られる黒い蓮の魔法的な芳香にとても心惹かれました。

香りを嗅ぐだけで王国の栄華も王としての人格も失ってしまう‥恐ろしいけれど嗅いでみたい、でも、実際嗅いだら怖すぎでしょう‥と、空想してしまうほど、そのダークファンタジーの世界は魅力がありました。

ホワイトロータス精油のキーワードが「聖性、悟り、慈悲、智慧、高潔」などであるのに対して、ブラックロータス精油のキーワードは「退廃、堕落、没滅、悪徳、虚無」などのダークサイドな語句が並びます。

凡人の私としては、どちらの世界にも惹かれてしまいます(^^)

そうして黒い蓮の小説から長い長い時間が経ち、アロマセラピーと出会い、ホワイトロータス精油の香りを知り、ブラックロータス精油との「比較」を想う時、なぜブラックロータスが魔法的なまでに人の心を惹きつけるのかが、何となく理解されてきます。

調べてみると黒い蓮の原典はどうやらギリシャ神話のオデッセイアにあるらしく、神話のなかで蓮の実(花)を食べるロートパゴスの人々は「蓮喰い人」、「食べると夢見心地になり、我を忘れる」そうですから、まさに麻薬的とも言えるロータス植物の言い伝えはここから始まっていたのかもしれません。

※実際のロータスはどの部分にも麻薬性はありません(笑)

小説のなかだけで楽しむ魔法植物の世界は、とても楽しく、読む人を惹きつけます。

ロータス精油の香りを嗅ぎながら、長い付き合いとなった古本を本棚から出して、黒い蓮の小説をもう一度読んでみようと思います。