すべてがうまくいく「幸せ」のエッセンス‥公式ショップサイトに新しい薫香材のシリーズ「闇と光の薫香材」を加えました。

薫香材とはインセンス(お香)の材料になる芳香性の乾燥植物で、広義のハーブでもあります。

フランキンセンスやミルラの精油が樹脂から抽出されるのは、よく知られていますが、その原材料となるものが薫香材です。

(薫香材は樹脂だけではなく、スマッジングで使うホワイトセージやパロサントの香木、その他にもローズの花びらやローズマリーの葉のようにハーブティーとして馴染み深いものも薫香材になります)

私が初めて乳香樹脂を手にしたのは30年も前のことで当時のアロマ関係の方で「ゲビンデ」というヨーロッパの伝統工芸をされていた方から頂きました。

「‥これが乳香、、の樹脂!」

コロコロした淡黄色の小さな粒を手にして、とても感動しました。

当時はかなり珍しかったと思います。

アロマから始まり、ハーブ、そしてお香の世界へと、興味はどんどん広がり、ショップでも薫香材を揃えてみたい‥と思ってきました。

やっと今、こうして並べられるようになり、毎日楽しみながらショップページを構築しています。

芳香植物として精油やハーブで馴染み深くても薫香材となるとまた少し性質が異なり、形状はもちろん使い方も異なるので、まずは自分の知識を蓄えるのに時間がかかりました。

薫香は「焚く」ことが前提であるため、火熱の要素が加わるところがなんといっても醍醐味です。

芳香植物を焚くことについては、最初に手にしたアロマセラピーの良書、ロバート・ティスランドの「アロマテラピー芳香療法の理論と実際」のなかに書かれていた言葉に強く魅了されたことが始まりです。

 

『病めるものよ‥‥なんじはおくべし‥‥

‥‥彼の顔をおおい

イトスギと薬草をたくべし‥‥

大いなる神々は、悪疾を除き給い

悪霊はしりぞかん‥‥

善なる霊、善なる守護神の来臨されんことを」。』

 

出典:フレグランスジャーナル社「アロマセラピー《芳香療法》の理論と実際」ロバート・ティスランド著、訳 高山林太郎

 

これは古代バビロニアの粘土板に残されていた言葉ですが、まだ医療が呪術であった古い時代に芳香植物がどのように使われていたのかが想像出来る貴重な文章です。

香を焚く、それは健康のためであり、悪霊ばらいのためであり、先祖とのつながりを強めるためであり、心に集中力や平和を呼び込むためであり、古代から現代まで世界中の文化のなかで絶えることなく続いてきた習慣です。

今回、薫香材をショップに揃えるにあたり、古代シリアの最高神である「バアル神」をモチーフにしました。

バアル神についてはショップ内のページでご案内しています。

いつもお世話になっているウェブデザイナーの花澤さんが、イメージ通りの「バアル」を描いてくださり、それも嬉しいことの一つです。

長い間温めてきた薫香材への思いがかない、ここからさらに深く掘り下げていこうと思っています。

シリーズはまだ種類が増える予定です。

終わりのない旅の途中のようですが、薫香材を扱ったのは私自身が煙になるための準備(終活とも言うのかな)でもあります。

いつの日か、必ず迎える今生の終わりを見据えながら、薫香の世界にディープに親しみ、晩年から最晩年へと駆け抜けていこうと思います。