すべてがうまくいく「幸せ」のエッセンス‥もう終わってしまいましたが、パリオリンピックが開催された年なのでフランスに因んだ催眠療法のことを書きますね。
催眠療法の歴史に登場する人物のなかで、私が最も「好き」なのはフランス人の薬剤師、エミール・クーエ(Emile Coué, 1857-1926)です。
エミール・クーエはそれまでの権威的な催眠の方法ではなく、易しい自己暗示を使った潜在意識へのアプローチを提唱した方です。写真で見るクーエ氏のお顔はいかにも穏やかで優しいおじさんといった雰囲気です。
きっと、お人柄もいい人だったんだろうな‥と思わせてくれる方です。
薬剤師であったクーエは、薬を手渡す時の人間観察のなかから、自己暗示の持つ力の偉大さに気づいたそうです。
エリクソン式催眠で知られるミルトン・エリクソンもそうですが、人間観察は催眠や自己暗示における重要な鍵となっています。人を(相手を)よく見ていないと気づかないことだと感じます。
クーエが提唱した自己暗示文は、下記のようにとても簡潔です。
「毎日毎日、あらゆる面で、私はますますよくなっていく」
クーエはフランス人なので、フランス語ではこちらの文章です。
「Tous les jours, à tous points de vue, je vais de mieux en mieux 」
この暗示文は肯定宣言でもあり、唱えやすく、続けやすいので私も毎日唱えています。
唱えるタイミングは朝起きた時と夜眠りにつく時。
これは、ぼんやりした意識のなかで唱える方が潜在意識に入りやすいためです。
この「あらゆる面で」というのは本当にいい言葉だと思うのは、何にでもつなげることができるから。
心身の健康、仕事、家庭、生活、金銭、人間関係、願望実現‥などの「あらゆる面」が「毎日毎日」「ますます」「よくなっていく」
これは実に最強のアファメーションです。
クーエは、紐を1本用意して、その紐に結び目を20個作り、結び目をつまぐりながらこの暗示文を20回唱えると良いですよと言いました。
ただ言葉を唱えるよりも何か道具があった方が習慣づけられるし、やる気が起きるという方は、こちらの方法がおすすめです。
朝晩だけではなく、日中でも気持ちが落ち込んだり、憂鬱な気分で心が翳り始めるような時に、このアファーメーションを唱えると、そのような気分が雲散していきますよ。
アファーメーションはシンプルですが、その与える影響はとても大きいです。
私自身の人生や仕事において助けられてきたのも、クーエのおかげと言えます。
現代でも世界中から自己啓発の父と呼ばれているクーエは、ロレーヌ地方のナンシー市にあるサント・マリー公園に眠っています。
いつの日か、偉大なる自己暗示の「父」を訪ねてみたいです。
★エミール・クーエの自己暗示や潜在意識のことを勉強してみたい方はホリスティックアロマアカデミーの「ヒプノセラピスト養成コース」のページをご覧ください。